HUGっとプリキュア感想文

まえがき

 

プリキュア10周年の際、オープニング開始前に歴代のプリキュアが週替わりで挨拶をするという演出があった。しかし、それがどのプリキュアだったのかを頭に思い浮かばせることはなかなかすぐには出来なかった。

 

そして今回は15周年ということでその演出が良くも悪くもこの年のプリキュアシリーズの根幹となった。今回はそんなHUGっとプリキュアを少しではあるが振り返りたい。

 

1.15周年という記念性

 

前段でも述べたが、このシリーズは15周年ということで記念性を帯びていた。10周年の時とは違い、過去シリーズのプリキュアを本編に直接登場させるという演出方法をとった。

この方法の優れた点はとにかくインパクトがあったこと。過去のプリキュアが声付きで画面上に出るという映画館でしか見られなかった演出が本編で見られたことは、この先のシリーズが続いていく中でも特別な意味を持っていくことだろう。えみるとルールーがプリキュアになった直後と物語後半でドクタートラウムを浄化する回のシナリオの重要な場面に歴代のプリキュアや過去のシリーズに登場したプリキュアを応援する者たちが全て揃った姿は神々の一言に尽きる。

 

しかしながら、このプリキュアオールスターズ関連の話に結果的に計4話を使ってしまったことを考えると、はぐっとプリキュア本編の掘り下げをそれだけできたのではないかと思うだけに難しい舵取りを強いられたことが浮かんでくる。

 

2.育児や社会問題をテーマにした先進性

 

このシリーズは現代社会が抱えている様々な問題を否応なしに考えさせるシリーズだったように思う。敵組織であるクライアス社は現代の会社の闇をモチーフにしたキャラクターが多かったし、主人公やその周囲の人々もまだ中学二年生という年齢で、かなり困難な状況で悩む姿も多々見受けられた。

 

言うまでもないが若宮アンリの存在、プリキュアの貴重な出産シーンと見ていてここまでやるのかというある種引いてしまう気持ちが心に芽生えたこともあった。「登場人物敵味方全てが困難を乗り越えていって未来をつかむ」という筋書きは前作でも見られたが、本作ではより現代社会における私たちにも共感できる形を見せていたと思う。

 

3.結果という名の考察


先進的だったことについては多くのシーンで賛否両論があったことは否めない。
前述の若宮アンリの処遇や主人公の出産シーン等は、プリキュアファンのみならず多くの人間の間で議論を呼んだ。ここではそんな沢山ある考えたいシーンの中でも一番思ったことを一つ語っていきたいと思う。

「未来」とは何だったのか?

そもそもこのシリーズはクライアス社によって時間を停止(破壊)された未来からやってきた、ハリーとはぐたんが野乃はなと出会うところから始まる。

未来から過去に助けを求めにやってくる作品ですぐ思い浮かぶのはドラゴンボールZの「トランクス」だ。彼が住む未来では主人公である孫悟空が病死し、その息子の孫悟飯も人造人間により倒され後がない状況の中、トランクスがタイムマシンで過去に行き孫悟空達に事前に歴史を説明して、人造人間に対する対策を前もって練ってほしいと言って去っていく。その後トランクスは何回か過去と未来を行き来して、最終的に過去と未来で人造人間と戦い勝利をつかむことになる。しかし、未来の世界では孫悟空孫悟飯もトランクスの父親であるベジータも結局生き返らず、トランクスは未来で母や残り少ない人類と生きていくことになる。(超のマイの存在はここでは置いておく)
つまり、未来と過去が「平行世界」として描かれている。

 

話をプリキュアに戻そう。ハリー達は未来からやってきた。しかし、未来を絶望の世界にした本人であり敵対するクライアス社も同時に未来からやってきているのである。クライアス社は戦いの中で次々と戦力を失い、ついに社長であるプレジデントクライ(ジョージ)の敗北をもって倒産となる。


問題はここからだ。結果的にクライアス社の連中は全員生き残り(社長以外)、ハリーとはぐたんと一緒に「未来にカエル君」という発明でみんなで未来へ帰ってしまうのである。

そして、視聴者には十数年後の野乃はな達の姿が映し出される。クライアス社の代わりに野乃はなが社長の、アカルイアス社が世の中を席巻しに、他のメンバー達も本編で描かれた自分の選んだ道を歩んでいる。

未来に帰ったクライアス社の人々はクライアス社には就職しなかった扱いになっている(ハリー含め)。簡単に言ってしまえば彼らも道を誤らずに未来へと辿り着くことができた。ストーリーとしてはルールーは育成型アンドロイドとしてえみるがドクタートラウムに資金援助を出し作り上げ再会、はぐたんは野乃はなの子供として再び巡り合う(医師:さあや、立会人:ほまれ、助産師:ダイガン)……というストーリーで大団円……なのだが。
これだけ見ると未来と過去が「直線的世界」で描かれていることになる。

 

しかし、この直線的世界の場合はハリーとはぐたんが過去にやってきて、野乃はながプリキュアになった瞬間に未来は変わることになるからそこでこの話は終わってしまう。
そうなるとこの話は平行世界で語られる事になる為、前述のトランクスの例のようにハリーは過去と未来を、自分たちの力で変えていかなければならない。

そこが完全に抜け落ちてしまっているので、ハリー達が未来に戻ってその時間を平和にするというアナザーストーリーが、他の媒体で求められるこのシリーズの盲点だと感じる。(野乃はなの夫、ちびルールー、ほまれ家に居着くハリハリ族等、突っ込見どころはほかにもたくさんあるのだけど……)

キラキラプリキュアアラモード感想文

まえがき


お久しぶりです。
現在このブログの文章は一気に書いているという訳ではなく、体調が許すときにちまちまと時間を見ながら書いているので、スタートの時間からゴールの時間までにかなりのタイムラグが発生するからです。ただ、なるべく更新だけはしていきたいと思っているので今後も気長にお付き合いください。

今回は「キラキラプリキュアアラモード」を取り上げていきたいと思います。前々作のプリンセス、前作の魔法使いときて今回はお菓子をテーマにしたプリキュアということで現代日本の日常を淡々と守るというスタンスからもう一つ下地を加えていくスタイルは今作でも継続されているようです。

なお、*1*2という単語はNGでお願いいたします(笑)

 

1. キャラクター紹介
宇佐美いちか
海外で働いている母親がおり、空手家の父親と二人暮らし。料理やお菓子作りが好きだがなかなか上手くいかない。しかし、母親への気持ちを込めて作ったお菓子が認められキュアホイップに。

上記では身も蓋もないがそれ以上特徴らしい特徴はない(「歴代ピンクと比較して突出していることが無い」という表現でもいいか)のでこれぐらいの文章量で勘弁してください。

有栖川ひまり
スイーツを科学的にアプローチするという特色のある内気でかなり小柄な子。
中の人はまいんちゃん(笑)
塾なども行っており頭はよい。プリキュアというと少しなりとも家庭状況が描かれたりするが、このキャラクターはプリキュア史上初一切そういった描写が無い。一応家はあり部屋が存在することだけは確認されている。

立神あおい
上記二人と同じ学校に通うバンドのボーカル。だがネタ的には上記二人を完全に上回るスペックの持ち主。立神コンツェルンの一人娘でお嬢様。

物語の中でバンドをやりたいという情熱が親を動かし、立神コンツェルンは兄弟同然に育てられた執事の水島が跡取りとなる事になった。水島との関係性も気になるところ。

正直バンドか菓子屋かどっちかにしろと思わないこともない。ちなみに見た目に反して頭が良く、いちかは同類(勉強は苦手)と思っていたらしく勝手にショックを受けていた。

琴爪ゆかり
高校2年生。あきらと同じ学校に通っている。何もかも完璧にこなすが自身はそれが退屈だと思っている。要するに刺激が欲しくてプリキュアになったとも言える……(苦笑)性格は猫のように気まぐれだが、なぜか人心掌握にとても優れチームの中でも常に冷静さを保っている。
最終回後は海外留学へと旅立つ。

剣城あきら
妹が病弱のため両親と離れ祖母の家から高校に通っている一見するとイケメン青年の様だが女子高生。ゆかりと同じ学校に通い、ゆかり同様に人気がある。
妹のことを極度に溺愛して将来は医師を目指している。
春映画では前々作の七瀬ゆいに壁ドンするなど誤解される挙動も見せる。

キラ星シエル
6人目のプリキュア。フランス帰りの天才パティシエで正体はいちご山の妖精キラリン。お菓子作りを極めるためにフランスに渡り、そこで妖精から人間となった。


いちご坂に店を構え、いちか達からもあこがれの存在として描かれていたが、本来プリキュアになる事にあこがれておりプリキュアに変身したいちか達に逆に弟子入りすることになる。


双子の弟ピカリオ(後述)と共にフランスに留学したが修行先で弟と喧嘩別れしてしまったことや、その後の弟の苦悩を知り、悔やんでいた。その事が後述するビブリーへの対応へ繋がっていくことになる。最終的にはピカリオと二人そろってコンクールで賞を取るような仲良し姉弟になっている。

黒樹リオ
今回の改心枠その1。ノワールの手下でジュリオと黒樹リオという名を使い分けプリキュアたちの心の闇に付け込もうとするが返り討ちにあってしまう悲しい子。


本来はいちご山の妖精キラリンの弟でピカリオという名前を持っている。前述の通りキラリンとともにフランスに留学したが一向に芽が出ず、キラリンが人間になって有頂天になったのを目の当たりにして逃げだし、そこをノワールに付け込まれた。


ジュリオから浄化された後も悪態をついていたが、姉のピンチに身を挺して姉をかばいそれがきっかけでキラリンはキュアパルフェとなるも、ピカリオは一種の仮死状態になりフェードアウト。物語終盤でプリキュアたちのピンチに復活しプリキュアへと変身する(正式ではないが)。

ただ、その後も悪に染まったことを気にしており姉の為に一人旅立とうと考えるも、キラリンの説得で姉弟そろってパティシエとしての道を進んでいくことを決めた。

ビブリー
今回の改心枠その2。ノワールの手下で常にイルという人形を離さずに持っている少女。ジュリオとは違い力押しでプリキュアと対峙するもことごとくやられる。


最初のころはジュリオと同じ空間にいたようだが途中から完全に一人ぼっちの空間から出撃していたことになる。実は彼女は100年前のいちご坂で身寄りのない子どもで、そこをノワールに見いだされた過去がある。(なぜ一人で彷徨っていたのかは不明)裏を返せばノワールしか頼れる人がいないということ。

度重なる敗北によりノワールから見放され、自暴自棄に陥るがそんな彼女に手を貸したのがフランスで弟を救えなかったキラ星シエルとプリキュアの仲間達だった。

浄化後はキラ星シエルのスイーツ店やキラパティなどで働きながら生活している。またジュリオとも再会し、姉弟の成長を見守る。最終的には後述するペコリンのスイーツショップで働く姿が目撃されている。

ペコリン
モフルンに続く奇跡の妖精枠。いちご山の妖精の中では年が若く、少し太め。


キラキラル判定員にしていちかとのファーストコンタクトによりこの物語は始まり、いちご山のスイーツショップのパティシエとしてこの物語は終わるこの物語の最重要キャラクター。

いちご山の他の妖精たちと同様にお菓子作りを極めて、伝説のパティシエであるプリキュアになりたいと、日夜スイーツづくりに精を出している。プリキュアの妖精史上、全く喋らない回がある。序盤途中から出番が著しく少なくなり、ピーク時には前述のように全くセリフの無いこともあったがピカリオが仮死状態になっていた際には毎日見舞いに行き、仲間入りしたビブリーからも可愛がられ、絶えずスイーツづくりの研究をし、生きとし生けるものすべてに対応したスイーツを作れるようになるなど確実に技術面でも精神面でも成長し、中盤後期では一度だけ人間体に。

その時はプリキュアを守るため力を使い、すぐに妖精に戻ってしまったが終盤大好きのない世界にて孤軍奮闘して人間体、さらにはプリキュアに変身!「キュアペコリン」

最終回ではいちか達が去ったいちご山で少し成長した人間体ペコリンがペコリンパティスリーを開き、ビブリーとともにいちご山を見守っている。(人間体ペコリンは別にふとましい体型はしていない)

2. ストーリーの流れ


プリキュアとなった5人がいちご坂でキラキラパティスリーという菓子屋を経営し、ノワールの刺客を退けていくという労働基準法何やってんだみたいな忙しい内容。
でも、プリキュア5のりんちゃんさんもいろんなことを掛け持ちしていたので、それを踏襲しているといえばそれでだが……。

基本的にこの項を書く際にはWikipediaを見て、自分の記憶と逢ってるか答え合わせをするんだけど、アレね。このシリーズのWikipediaは注釈もあるけどやや過剰気味だね(苦笑)ここまで詳しくまとまった説明書かれると、そっちを見て、どうぞ。としか言えない(笑)
ただまぁ、敵が襲ってくるそもそもの要因が大人の愛憎劇だったことには結構驚いたよね。出てくるキャラ的にもそんな感じしなかったから。だからプリキュアは恋愛禁止なのか……(小声)

3. 考察
自分で文字を打ち込みながら毎作思うけど、今回は考察部分のほとんどがキャラクターに対して。
特にこのプリキュアは結構お菓子の作り方とかも推してたから、そこに興味がないと登場人物に共感できないというかなんというか……。

印象としては主要キャラクター5人組+1っていうのは一年で周すには人数的に難しいのが第一か。正直ひまりやゆかりさんは生活などの描写が薄かったし、あきらさんもあきらさんそのものというより妹のみくちゃんが主役の回がほとんどだった印象がある。キラパティ+個々のやりたいこと+敵との闘いを毎回話に盛り込むのはかなり大変な作業だったことが伺える。

それに加えてキラリン、ピカリオ、さらにはビブリーにまで仲間にするためのエピソードを加えたから「家の描写が一切ないひまり」

「一話全く喋らないペコリン」などのある意味で迷シーンを生み出してしまった。
ただ、キャラクター的には今までになかったタイプのキャラクターを多く投入し、あきらさんに対しては「夢女児」なる単語まで出てきたのは宝塚出身の声優さんならではのキャスティングだろう。

また、前作では数年後の姿が描かれていたが主人公である春野はるかに限定されていたが、今回のシリーズでは登場人物ほぼ全ての数年後が描かれている点にも注目したい。この原稿を書いているのはその次の次のシリーズの夏休み終わり(2019年9月8日)ぐらいなので単に次作の「はぐっとプリキュア」での演出とリンクさせるために行っていたのかも知れないが、今見ている「スタートウィンクルプリキュア」がどのようにエピローグを描くのかによってもこの「数年後を描く」の意味は変わってくるのかもしれない。

物語の感想としてはとにかく主役がいちかからキラリン、最後はペコリンと大きく変わっているように見えた。話に登場人物が多いせいか主役であるキャラクター以外がほとんどしゃべらない。それは物語で主人公を明確にする意味では必要なことなんだけど、このプリキュアではそのギャップがあまりにも大きく描かれすぎていたし、最終的にペコリンの成長譚に話がすり替わっているのはペコリン好きな自分としてはうれしいが、市中にはキュアペコリンやペコリン人間体の画像は少ない……。

魔法つかいプリキュア感想文

まえがき

皆さん、お久しぶりです。


特に待ってはいないでしょうが、4年ぶり?にこのブログの更新をさせていただくことになりました。以前とは文章のニュアンスや表記の方法が乱雑になるかもしれませんが、大目に見てやってください。4年間更新はしていませんでしたがだらだらとプリキュアは見続けておりました。途中怪しい部分も多々あったけど……。そんなわけで、また一つよろしくお願いします。

1、 キャラクター
朝比奈みらい・十六夜リコ・モフルン・はーちゃん(キュアフェリーチェ)


今回のプリキュアは中盤まで2人構成で、後半3人というそれまでのグループ制とは少し違った構成になっている。プリキュア自体もヒーローものによくあるタイプチェンジを駆使して戦うシーンが序盤は多かったがキュアフェリーチェ加入以降はスタンダードなスタイルで戦うシーンが多かったように思われる。

みらいは中学生になってもモフルンと名前を付けたクマのぬいぐるみを始終持っている以外は普通の中学2年生。

対するリコは魔法界ではエリートの家系に生まれるが自分には才能がないと思い込んでいるが、節々で努力する才能が見受けられるほど努力家でもある。

モフルンはみらいが生まれたときに祖母からもらった一般的なクマのぬいぐるみで、みらいの成長をずっと見てきてみらいと話がしたいとずっと思っていた。
みらいとリコがプリキュアになるために必要な存在で、逆を言えばモフルンがいないと変身できない。プリキュアの妖精にしては出自も特殊で性格もかなり温厚。甘いにおいがするモフ。と言ってストーリー上のキーアイテムを見つけたりする。劇場版は完全にモフルンが主役で変身もする。ただ、人間体は存在しないため日本名はない。

はーちゃんは当初妖精の赤ちゃんだったがストーリーが進むに擦れてその役割が明らかになり、キュアフェリーチェ、日本名「花海ことは」としてリコたちと生活を共にすることになる。後半の戦闘はフェリーチェが戦力の大半を占めている節もあった。

 

2、 ストーリーの流れ
魔法界のエリートの家系に生まれながら魔法の扱いが苦手なリコは日ごろの名誉挽回のため無断でナシマホウ界(現代日本がある世界)に渡り、リンクルストーンという伝説のアイテムを探すため空飛ぶ箒で上空から見つけられないかとやっている最中に森に落下。それを偶然見た朝比奈みらいがモフルンを連れて家を飛び出すところから物語は始まる。

リコとの出会い。魔法界とナシマホウ界でのお互いの異世界文化交流。リンクルストーンを狙う闇の魔法使いドクロクシー一味との闘いまでが前半戦。

ドクロクシー勝利後は前半に引き続きみらいとリコの交流を丁寧に描きつつ、キュアフェリーチェの加入、ムホーという真の敵との闘いそして大切な仲間たちとの別れをドラマチックに演出する後半戦に分かれる。

途中ややネジのとんだエピソードなどもあるが、最終回前の49話はこのブログで言うまでもなくプリキュアクラスタの中では有名となった。

3、 考察
49話は神回とよく言われるが、個人的にはやはり最終回(50話)を推したいところ。
ムホーとの最終決戦を終えて、離れ離れになった仲間たち。モフルンも元のぬいぐるみに戻り、みらいは数年間プリキュアではなかったかのように日常生活に戻っていった。
しかし十六夜が来ると思い出すリコたちと過ごした日々を思い出す。その日は矢も楯もいられなくなり始めてリコと逢った公園で「キュアップ・ラパパ」と涙ながらにリコに会いたいと懇願する。その時、みらいの言葉が奇跡を起こし再びみらいの前にリコが現れモフルン、フェリーチェも復活して再び同じ時を進んでゆく……のが49話のラスト。やっぱりそれなりに文字数かかってしまうぐらいには49話というのはインパクトのある……というか感動的な話だということ。

話は最初に戻って50話は後日談兼新プリキュアお披露目回。プリンセスから魔法つかいへの時までは、バトンタッチ的な要素は春の映画オールスターズが担っていた部分があったが、この魔法つかいプリキュアかあら明確なバトンタッチを最終回で行うということが3作続いている。(令和元年8月時点)


50話は前述のとおり、後日談+新プリキュアのお披露目(3回目)。なぜ再び魔法界とナシマホウ界がつながる事ができたのか。大学生としての日々を淡々と過ごしていたみらいに対し。リコはナシマホウ界ともう一度つながるための研究をしたり、あらゆる種族の人材をスカウトしたりと努力に努力を重ねて現在は魔法学校の教諭として後進の指導にあたっている事。スカウトした人材の中にはかつてリコがみらいと共に見た種族や敵として立ちはだかった者たちもいる事。そういった説明をしながら、新プリキュアのお披露目の為の敵が登場する。この敵こそが中盤で一度は消滅したドクロクシー(ドクロムシー)だった。

颯爽と敵を倒す新プリキュアのお披露目も目を引いたのだが、一番印象に残ったのはこの後。主人公たちの今後の展望を校長が語る。未来は無限の可能性に満ちている的なことを言うのだが、その隣には一度は天に還ったクシィの姿が……!

ここからは完全に自分の想像だが、本編を通じて描かれていたのは「みらいとリコ」=「校長とクシィ」だと思う。


リコが最初に道を踏み外しそうになったのを校長が戻したのは、過去の自分の反省を踏まえての事だったのだろう。ムホーの力に立ち向かうためクシィが闇の魔法に手を染めてからも苺メロンパンを差し入れながら、悠久の時間をたった一人でムホーに立ち向かう可能性を探した。その可能性がリコでありみらいだった。彼女らがムホーを倒し救ったのは世界だけでなく校長やクシィをも救った。最後にクシィが蘇った?事は多分そういうことだったのだろう。

プリンセスプリキュア総評

今回も50話見続けましたね。
いい加減見なくなるかと思うんですけど、ツイッターの影響が一番大きいかと思われます。
この辺は次年度少しずつ変わっていってもいいかもしれません。
そんなこんなで総評という名の感想文垂れ流しです。どうぞ。

よかったところ
1.全体を通してのクオリティが高い。(脚本、演出、作画)
2.あまり無駄な話が無く、最終回までに様々な人の人となりが明らかになるようになっている。
3.上記から登場人物の使い捨て感があまりない。
4.多くの人が評価しているように長期視聴に耐えられるいい映像作品になっている事は間違いない。


きになったところ

1.「プリンセス」という点についてはるかが現実の人間なので表現が難しいのであれば、トワ様がその辺りの要素を持ち続けて欲しかった
(トワイライトからトワ様になって、最終的にどんなプリンセスになりたかったのか?あるいはなれたのか)
2.登場人物のフォーカスをする対象がややずれていた感もある。
(個人的な見解だがみなみさんの元々の友人である生徒会チームはもっと話の中に取り入れた方がリアリティがあってよかった気も……距離感自体は決して遠いものではなかったので)


以下個別の感想

・ノーブル学園とディスダーク
希望と絶望の対比がよくできていたと思う。
特にそれぞれの側の登場人物の行く末が最終的に混じり合うと言うのはよかった。

・春野はるか
とにかく全編を通じて環境に恵まれた部分が大きいが、本人が最後まで良い子であった。

・七瀬ゆい
最終的にプリキュアを伝える者となるとは全く思わなかった。
まぁ、変身するようなビジュアルではなかったので、ああなるしかないと言えばそれまでなんだけれども。
去年に続いて傍にいてくれる大切な人枠という意味では大きな役割を果たしましたね。

・クローズ
1話で初登場し、10話近辺で一度いなくなり30話近くになり復活して最終ボスにまで上り詰めたキャラクター。
ディスピア様もクローズの真摯な姿勢を見て最終的にクローズにディスダーク(絶望)を託したのかもしれん。
「絶望した時に現れる」とか言ってたから月一ぐらいで様子を見に来てほしくもある。
途中怖くなったりしたけど最終回のクローズさんは一話のクローズさんのようなどこかあか抜けない部分があってよかったです。

・シャット
なんだかんだ最後まで生き残りましたね。上の文章でも書いてるけど、このあたりはトワイライトに元々仕えていたという身分だから許してもらえたのかなって感じはする。
寝返りはちょっと唐突な展開な気もしなくもないけど、死ななかったので良かったです。


今後のこのブログの予定……
魔法使いプリキュア」は正直微妙なテンションで見ております。
このプリンセスプリキュアの時も「なんやねんプリンセスて……SFやんけ!」と思っていたらいい方向に裏切られましたがそれが2年連続であるかどうかはわかりませんしね。
どうも毛色というか毛並というかが自分の求めているものと離れてきた気がしましてね……。
まぁ、現時点では3話ぐらいなのでまだわかりませんがこれから全く違う話題や記事が載ってきた場合は「あっ……(察し)」と思って頂いて構いません。

プリンセスプリキュア雑感【41話〜50話】

お久しぶりです。既にテレビシリーズは終了していますが中途半端で止めるのもよくないのでプリンセスプリキュア41話から50話までの感想文という事で書いていきたいと思います。

ラスト10話という事で当然ですが登場人物の着地点を構成するという話になります。
ゆいちゃんを皮切りにきらら、みなみさんの現実性のある夢への方向性、またホープキングダムとディスダークの人物達の方向性というのも明らかになりました。

そしてその話がすべて終わったところで残り4話。ディスピアとの決戦へと入っていく事になりました。
ディスピアとの決戦自体は1話でしたがそこに至るまで、再利用したロックでノーブル学園の生徒たちを再び絶望に陥れたり、そのノーブル学園の生徒たち一人一人が絶望の檻から脱出してプリキュア達に逆に力を与えるという王道展開を繰り広げました。

そして最後の最後にクローズさんが本当のラスボスとして第1話と同じようにフローラと戦うというのは今までにない感じでとても印象に残りました。
全てが終わってみんながそれぞれの夢に向かって歩いて行く中で、はるかがどっちの方向を向いていたのかは最後まで曖昧なまま終わってしまいましたが、一瞬でも成長した彼女達の後ろ姿が出てきた所に彼女達の行く末が明るいものであったんだろうという淡い期待を込めて見ていました。


この10話の中で特に印象に残ったシーンはやはりシャットさんのシーンでしょうか。
組織の形態の変化に全くついて行けず、挙句の果てにディスピアから「いらない子」扱いを受けてしまったシャットさん。
普通なら自暴自棄になったところを倒されて終わりという筋書きが予想できてしまいますが、シャットさんの場合はそうはならなかったようです。
この辺はよくわからない部分ではあるんだけど、「今の自分の立ち位置に迷っている事」や「トワイライトに従事していた事」などが最後まで生き残れた理由なのでしょうか。

最終的にはディスピアに反旗を翻し、プリキュアと共に戦い最終回後も自分の道を歩んでゆくという姿を見る事ができました。
個人的にはホープキングダムでトワ様に再び従事してほしかった所ですが、生きてさえいればまたどこかで彼らが交わることもあるでしょう。

それでは、プリンセスプリキュア総評へと続きます。

プリンセスプリキュア雑感【31話〜40話】

前回の記事に続いてサボっていた感想文を書いていきたいと思います。
今回はプリンセスプリキュアの31話から40話までを振り返ってみたいと思います。

このタームの初めとしてはノーブル学園の新学期が始まったのと同時にクローズさんの復活がありました。
クローズさんは以前の様なパンクのお兄さんという茶目っ気のあるものではなくより純粋な悪として生まれ変わります。

プリキュア側は行方不明となっていたカナタと再会を果たしますが彼は記憶が無くなっていました。
そんなカナタを気にかけつつ物語は進んで行き、キュアフローラとクローズは再び対峙する事になります。
一度は記憶喪失のカナタとひと悶着ありましたが、フローラは立ち上がりその想いはカナタの記憶の復活と言う奇跡を起こしました。
復活したカナタとトワ様が語るホープキングダムの過去と現在の話を胸に、プリキュア達は次の戦いへコマを進めて行くことになります。


上記がお話の流れです。
その中で印象に残った話は33話のミスシャムールが主役の話と39話のキュアフローラの復活回でした。

まず33話についてですが、この話は脇役であるミスシャムールが主役の話でした。

ロックとして操られていた妖精クロロを元気にするべく色々な場所をクロロと徘徊するシャムール先生。
グランプリンセスになる為の大切なことを自らの行動で示したいい回だったと思います。
劇中で彼女が敵であるシャットさんに差し伸べた手が、どのような結末を迎えるのか期待したいと思います。

次に39話。これは2話構成の話の後篇に当たるお話です。
前篇でフローラは何のために戦うのかという事がわからなくなってしまいました。
原因としてはクローズの猛攻と、カナタの発言でした。
記憶を失っているカナタは外見はそのままですが、フローラがなぜ戦っているのかを忘れてしまっています。
そんな彼にはフローラが戦いで傷つく姿が耐えられず、「もうプリンセスになるな」との発言をしてしまいます。(なお、この時仲間はクローズの作戦などもあり不在でした)
ここで(カナタは記憶が無いからしょうがないね)などと考えられれば話は楽なのですが、フローラはそれを真に受けてしまい変身すらままならなくなってしまったという話でした。
フローラの絶望で街が滅茶苦茶になる中、カナタも事の重大さがわかりフローラの元へ向かいもう一度自分の素直な思いを打ち明けます。
フローラはそれに答えつつも自分の力で立ちあがり、もう一度プリキュアに変身する事ができるようになりました。
それに呼応するかのようにカナタも記憶を取り戻しクローズを撃退。一件落着と相成りました。

記憶を取り戻したカナタはフローラにいたく感謝をし、「君の夢を守りたい」なる発言までしています。軽い気持ちで言ったセリフで無い事を祈ります。

藍原ゆうき?誰だよ(ピネガキ)

プリンセスプリキュア雑感【21話〜30話】

こんにちは。お久しぶりです。本編はあと一カ月弱となっておりますが、感想文をほったらかしにしていたので少し綴っていこうと思います。

21話からは宿敵トワイライトがカナタ王子の妹のトワであったことが明らかになり、そのままプリキュアに覚醒→仲間に加入と言う流れで進んで行きました。
一通りトワとの関係性を築き上げた後、同時期にディスダークを仕切っていたロックとの戦いに入っていくことになるところまでが30話までの流れでした。

夏休み中の話も多く、休みの生活の中で4人の主役たちが色々な局面で色々な素顔を見せてくれて楽しい期間でした。

特に心に残ったのは27話の藍原ゆうき回、28話のゆいちゃんとトワ様の交流を描いた話でした。

まず27話に関しては、はるはるの幼馴染という立ち位置の藍原ゆうき君がテニスの壁にぶち当たっている事について、はるはるが強く優しく諭すという内容でした。
印象的だったのはテニス部員の髪型でした。
無敵超人ダイターン3の主人公を彷彿とさせる奇抜な髪形に目が行ったのは僕だけでしょうか。また、気も短く藍原君に殴りかかろうとしていたのも心に残っています。
僕は彼の事を「ダイターン3の彼」と呼ぶ事にしました。

続いて28話。この回は久しぶりに水着の見られる回と言う事で話題になりました。

しかしながらこの話で一番良かったのはゆいちゃんでした。
ゆいちゃんはトワ様がディスダークにいた時からプリキュアを支えている一般人です。
そんな彼女はやっぱりというか「プリキュアになってみんなと戦えればいいのに」と思っていました。

ですが彼女は変身できない代わりにプリキュア達の活躍を記録しておくという自分の役割を見出し、一緒にいる事を選択し続けていました。プリキュアになれなかったゆいちゃんの本当の気持ちが知ることができ、今まで以上にゆいちゃんが好きになるような話でした。

追伸:序盤でゆいちゃんが海藤グループの島や天ノ川家に呼ばれなかったのがなんかリアルに思えてきますね。