ひろがるスカイプリキュア雑感

皆様、一年ぶりですね。

一体このサイトがどれほどの人に読まれているのかはわかりませんが、隅っこの方でガタガタ震えながら生活している私の楽しみの一つなので未だに視聴を継続しております。

流石に毎週毎週長々と価値観の比べ合いをするようなことはしませんが、50話見ちゃったからには……ね。という訳で、段々短くなっている感想文です。

 

1:この作品での新しい試み

プリキュアという存在を「ヒロイン」ではなく「ヒーロー」と名乗りそれに憧れる女の子の主人公ソラ

すあま改めましろ

性別が男のままプリキュアの衣装を身にまとう飛べない鳥、ツバサ

社会人のプリキュアあげは

放送開始前にわかっていた情報としてはこの辺りですか。

 

プリキュアシリーズももう20年を超えてきて時代そのものが変わっていく中で

新しさを出しつつも、視聴者層が魅力に感じるようなキャラクターを誕生させるのは容易でないですね。

今回はそんな4人が天から舞い降りた可愛い赤ちゃんであるエルちゃんの育児をしながら

人間界とスカイランド、2つの世界を行き来して活躍するという物語。

 

2:二つの世界

主人公と異世界人のコンビというかチームで、お互いの世界に物語の最中に頻繁に行ったり来たりするようになったのがどの作品だったかはもうすっかり忘れちゃってるが、今回のプリキュアも2つの世界を股にかけて物語が展開されています。

 

プリキュアチームも二人がソラシド市在住で三人はスカイランド人。

描写的には一応現実世界のソラシド市での描写が全体の半分以上を占めるが、ストーリーとして重要な局面はスカイランドで行われるという、簡単に言えばプリキュアスカイランドを助けるという方向性のお話で、ソラ・ツバサはソラシド市に偶然やってきて研鑽に励むという流れで最終的には祖国を救う為に戦うという感じだった。

 

3:いいところ

エルちゃんが可愛すぎる。

他のシリーズでも赤ちゃん的な存在を物語中に育てるものはあるが抜群に可愛い。

人間という意味ならはぐたんとそんなに変わらないのだが、はぐたんの場合は育児近辺の描写がかなりガチだったのもあるのかもしれない。

言い方は良くないが今回のエルちゃんに関しては安全な成功体験という感じ。

ツバサ君はどういう立ち位置になっていくのかと思ったけど

エルちゃんとあげはさんの2人からこれからも両腕を引っ張られそうでなにより。

 

4:難しい所

主人公が完全なる異世界人というのは思い切ったし、それにより現実世界の様々な理について学ぶという意味では面白い面もあったが、二つの世界を行き来できる手段がかなり序盤に開拓されたので、物語単体を単純に連結してみてみるとソラシド市とスカイランドのどちらの土地で物語が繰り広げられるのかが頻繁に変わって分かりずらかった。

 

大抵ソラシド市での物語が終わった引きで、スカイランドに行かざるを得ない……という様な繋ぎが想定されるがそれも頻繁に使えるわけじゃないので行き来の際はいつも唐突さが気になった。

 

後、重要そうで実際はそこまで物語路上動けていないキャラが多すぎた。

よく言われていたのは紋田以外の敵キャラの説明不足感。

これは当初から割り切ってたみたいだけど……。

 

5:推し

エルちゃんが可愛すぎる(2回目)

成長する速度が尋常じゃないから、最初毛布にくるまれていた時やミルク飲んだりおしめ取り換えてもらってる時期は特に興味は無かったんだけど、少し言葉を覚えて動き始めてからはただただ可愛い生き物だったなぁ。

 

動物園回ぐらいからのエルちゃんはおしゃべりも、遊びも見てるだけで

ニコニコしてた。マジェスティ変身練習回ツバサとの結婚式回は永久保存版にしたい。

大きくなったのは残念だったけど、この先のシリーズの為なので致し方なし。

 

現行シリーズは犬が人間になりプリキュアになるという二重変身を初回からやってのけるというある意味ではかなり突飛な物語になりそうなので、その辺を楽しめればいいと思う。

ただ、動物はそれ自体が可愛いから無理に人間やプリキュアという方向性の可愛さにならなくてもいいような気もする。

デリシャスパーティプリキュア感想文

お久しぶりです。

プリキュア以外のコンテンツにあまり力を入れていない為、ブログ自体もかなり適当な感じで遂には年一の更新になってしまっているのですが、誰か見ている人がいるのでしょうか?偶然ここに流れ着いてしまった人はある意味稀有な人です。

 

前作トロピカルージュプリキュア犬の糞を踏んで話を締めるという、ひたすらに明るい作風でしたがデリシャスパーティプリキュアでもその路線はある程度引き継がれていたのかと感じました(現在放送中のヒーローガールスカイプリキュアと比較して)

 

今回は(も)淡々と各種設定と感想を記述していきたいと思います。

 

今回も一応舞台は日本という事でいいのか…おいしーなタウンという街での出来事。

主に食べ物屋さんが多く立ち並ぶ街で大きな招き猫がシンボル。

この町に異世界であるクッキングダムから来たローズマリーが料理のレシピの全てが収められているレシピ本を探しに来たことから始まり、4人のプリキュアになる少女と共にブンドル団と戦っていくという筋書き。

 

登場人物

初期メンバー

和実ゆい

主人公・中肉中背・食べるの大好き中学二年生。

力が強く大の大人を肩で担げるぐらい。

コメコメの力でキュアプレシャスに変身。

主に攻撃はパンチ。

 

品田拓海

ゆいのお隣さんでいわゆる幼馴染の中学三年生男子。

シナモンと大福あんの一人息子。父親から譲られたデリシャストーンでブラックペッパーに変身してプリキュアやマリちゃんと一緒に戦う。ゆいの事が好き。

料理全般が得意で顔も良い、前半でモブに告られるぐらいにはモテる。

性格もよく大人たちからの信頼もある。運動神経も良い。

ただ、おいしーなタウンにはこんな逸材がごろごろいるのかと思うぐらい目立っている感じもない。

 

芙羽ここね(芙羽様)

パムパムの力でキュアスパイシーに変身。

主な技はサンドプレス。

サーバー乗っ取り事件で序盤何度も同じエピソードを見たのでそっちが印象に残ってる方もいるかもしれない。お嬢様で頭もよくスタイルもいいという設定だが、身長と頭身が高かっただけの様な気がする。神の舌を持つという設定の母親がいてかなり美人。

 

らんらん(華満らん)

ぱんだ軒という中華料理店の娘。

発明やインスタが得意で食べ物の情報はかなり網羅しているデジタル派。

プリキュアになる前にデータウィルス事件に巻き込まれたため、開始2か月間かかってやっと変身できた。初のセリフが代替え番組の時の「映画見るのスキー」というある意味過去に例のないキャラクターになってしまった。

ここねのエピソードが高嶺の花エピソードだったのに対してらんらんは喋りすぎ問題みたいなエピソードが多かったように思える。

20歳の男性妖精といつも一緒にいた事は特に話題にはならない(笑)

 

レシピ本を守る3匹の妖精

コメコメ

コメコメ2世。食べると食べるだけ成長する。赤ちゃん・幼児・少女と進化して必殺技のサポートやテレポートなどを使う。お結び百個は無茶でっせ。

 

パムパム

ここねのパートナー妖精。少しお姉さんタイプでここねと気が合う。

説明係。後半はあまり見せ場が無かった印象も……。

 

メンメン

らんらんのパートナーで竜の妖精。炎を吐ける男の子。麺占いなるものが出来る。

らんちゃんといってらんらんを慕っているが20年前から生きていたことが判明する。

特にその辺は触れられていない(しつこい)

 

クッキングダムから来た男(?)

ローズマリー

クッキングダムのクックファイターの一人でジンジャーの弟子。34歳。

伝説の戦士プリキュアに憧れていた男の子でもある。本作一番の特徴は戦闘や生活に参加する大人としてこの人物がいた事が大きいだろう。(ブラぺよりもプリキュア然とはしていないが)

また、主人公であるゆいの欠点がそこまでないので分かりずらいが他の仲間が問題を抱えている時やその場面では大人として助言をしたり見守ったりとプリキュア界では稀有な存在(周囲の大人の相談にも乗っていたし)

気になったのは中盤から後半にかけてはややプリキュアが考えるべき課題を先回りしていた部分もあったところぐらいか…。

 

 

追加戦士

菓彩あまね

生徒会長。中学三年生。レシピッピを見えることを利用され、洗脳。ジェントルーとして最初にプリキュアの前に立ちはだかったブンドル団。

しかし洗脳が解けて元に戻ると文武両道の正義感と罪悪感の強いキュアフィナーレとしてプリキュアになり3人に加わる。実家がフルーツパーラーで双子の兄がいる。親の代からおいしーなタウンで店を構え、ゆいのおばあさんとは交流があったようだ。

 

パフェのレシピッピ

元々設定が無かったのかデータウィルス事件で消えたのか、あまねちゃんの相棒は何故かレシピッピ単体。一応レシピッピの中でも格というかカーストがあるらしい。高飛車ではあるがパムパムやメンメンの通訳が必要。

 

他の登場人物紹介(軽め)

ブンドル団

ゴーダッツ=ブンドル団のボス=フェンネル(クソダサコスプレおじさん)

セクレトルー=完璧主義のOL崩れ

ナルシストルー=偏食、機械に強い

スピリットルー=ナルシストルーにより開発されたロボ(語尾が何故かゴワス)

ジェントルー=洗脳された菓彩あまね。後にキュアフィナーレへ。

 

クッキングダム

クッキング=無能国王。妻も特に意味はなかった。

フェンネル=クックファイター養成など全般管理。41歳。こじれせている。

シナモン=フェンネルによりクッキングダムから追放されおいしーなタウンにやってきて品田拓海の父親として遠洋漁業で家族を養う。38歳。夫婦仲が良い。

ジンジャー=フェンネル・シナモン・ローズマリーの師匠。何故かネコの仮面をかぶっている(物理)

 

 

総評

GOOD

品田拓海中学三年生、ローズマリー34歳がプリキュアと共に戦闘するという新しい試み。

和実ゆいの体格。

 

BAD

データウィルス事件がとにかく痛すぎた。

 

品田門平は意図的にああいう喋り方なのか、単に演技力の問題なのか。

結構重要キャラの割に聴いてて変に浮いていた。

 

結局ジンジャーやクッキングは殆ど謎人物で終わったため、フェンネルおじの独り相撲感がヤバかった。

 

 

ひろがるスカイプリキュアは前作前々作とは違ったノリが展開されているので、感想文まで行きつけるかどうか……。また次回お会いしましょう。

トロピカルージュプリキュア感想文

「今年度の視聴にあたって」

 

皆さん。約一年ぶりになりますが、社会的には何にも変わらずコロナウィルスが世の中を席巻して、新しい生活様式と今までの生活様式が混沌を極めている中でいかがお過ごしでしょうか?

私は個人的に去年は大きな手術などは無かったのですが、体の不調で病院と家を行ったり来たりの生活を送っていました。でも、プリキュアに関しては録画対応などで完走できたのでその事は例年通りだったと思います。最近はライダーも戦隊も全く見てないのでせめてこのコンテンツだけは継続していければいいなと思っています。

 

さて、前年度のヒーリングっとプリキュアの感想文は下記参照なのですが、今読み返しても文句タラタラで今年度のプリキュアに対しての期待感も当時はかなり低い感じでした。

とりあえず最初から分かっていたこととして、比較的日本でいうところの南の島周辺の海洋地域が舞台となる事と、とにかく明るく楽しい作品を作りたいという事が挙がっていたので「今作は海の自然環境に対するお話か……あるいはスマイルの時みたいなキャラクターの個性でゴリ押しをしていく感じなのかな」と、もう数年以上プリキュアを鑑賞している身としてはどうしても過去作や現代の社会事情を頭に入れながら開幕直後までを見ていました。

 

2022年版「幸せな人魚姫」

 

本作の主人公もシリーズ伝統に漏れず中学二年生の「夏海まなつ」という「今一番大切なことをする」というのが信条の女の子。「トロピカってる」なる独特の口癖を使うが意味的には「良い」とか「イケてる」とかに近いと思われる。

そんな彼女が出会ったのがグランオーシャンという海の中にある移動都市に住む「ローラ」という人魚。彼女の住むグランオーシャンは後回しの魔女(今作の敵対勢力)によりやる気パワーを奪われ壊滅状態に陥っていた。その壊滅状況をなんとかするため打倒後回しの魔女に対する切り札としてローラはグランオーシャンの女王様から名を受け人間界に行きプリキュアになれそうな人材を探すことになる。

しかし、ローラはその使命を全うすることでグランオーシャンの次期女王になるというある種野望を持ちプリキュアとなる人間の事を捨て駒と実際に人間に言ってしまうぐらいとんでもないキャラクター。だが、まなつはそんなローラの力になるべくプリキュアに変身、その後は自身の中学校入学と共にプリキュアになれそうな女の子をローラと探し回り結果的に同級生の「涼村さんご」、二年生の「一ノ瀬みのり」、三年生の「滝沢あすか」プリキュアに勧誘し学内での集まる場所として構内の屋上の部屋を利用し「トロピカル部」という名のある意味万事屋の様な部活動を立ち上げる。学内でも四人とローラが集まる場所を作ったことで各プリキュア達の課題や成長、中学生らしい学生生活、学校でのイベントの提案など放映時期に沿ったイベントを自然に展開することが出来た。

また、物語中盤からローラもプリキュアになることが出来るようになり人魚から人間になる事も可能となった。そこからはローラから見た学校生活を中心に物語が描かれることが多くなったように感じる。仲間との関係性や部活動での学校行事に参加していくことで後半はローラが当初の過激な言動は少なくなり次期王女としての風格さえ出てくるぐらい成長したことが画面越しでも見て取ることが出来た。

 

さて、一方で今回の敵サイドである「後回しの魔女」を中心とした集団だが大将含めて最初から5人固定で新規加入戦士などは出てこない。主な破壊行為として様々な生き物のやる気パワーを奪って望みをかなえる事が主目的というよくある設定。だが、たった5人でグランオーシャンを壊滅状態に追い込むことが出来たのか今考えてみれば少し不明瞭なところもある。なんでこんなことを言うかというと、彼等は今までのプリキュアシリーズの悪役とは少しズレたキャラクターとして描かれており、所謂「悪役」とはなかなかいいづらい部分があったからだ。

最終的な結論から言ってしまえば後回しの魔女の何が後回しなのかというのが最終盤で明らかになるのだが、その理由がプリキュアになった命の恩人と友達になりたかったのでプリキュアと戦う事を後回しにし続けた結果そういう風に呼ばれていたというキャラクターだった。元々は破壊の魔女と呼ばれていたがそれは彼女が生まれた時からの宿命でその事に誰も介入できない存在だったが、命の恩人のやさしさに触れやるべきことを後回しにした結果人間としてのプリキュアは寿命となり自分も後回しにしていたことが何だったのか忘れるほど悠久の時間が経ってしまった。その苦しみから解放されるためにやる気パワーを各地で奪い愚者の棺なる全生物絶滅アイテムを作動させようと魔女は考えていたのだが、それすらも忘却してしまった。

一応今回も魔女との最終決戦的なものはあるにはあるが、思想のぶつかり合いというよりは魔女に昔の事を思い出して欲しいというプリキュアの思いを言語化する説得に近い決戦だったように感じる。その説得のかいあって魔女もかつて友達になりたかったプリキュアと再会し、水の泡となって二人で天に還っていった。魔女の城でコック兼戦闘員として働いていたチョンギーレおじさん、医者兼戦闘員として働いていたヌメリーさん、子ども兼戦闘員(?)として住んでいたエルダちゃんの三人は魔女がいなくなっても「最後に幸せになってよかったのでは?」と悪役とはとてもいえないほのぼのした感じ。唯一執事として魔女に一途だったバトラーさんは魔女の遺志を継ぎ愚者の棺を作動させ世界を破滅に追い込むがまなつ達プリキュアに加え、幹部3人、更にはさっき消えたはずの伝説のプリキュアが巨大化してサンバを踊りながらバトラーさんを浄化。バトラーさんは燃え尽き症候群となるが、チョンギーレさんたちに引き取られる。

 

話が前後してしまったが、本作終盤で「記憶を消す装置」なる物騒な装置がグランオーシャンに存在することが明らかになる。初めは後回しの魔女の企みかと思っていたローラ達だったが、実は自国の物であることが分かる。女王様が言い分としては人間と会った人魚は記憶を消されるのが掟になっているからというらしいが、絶賛人間と交流中のローラにしてみればたまったもんじゃないので何とかしなきゃいけないという課題がローラには課せられることになる。

全ての事が終わってグランオーシャンに帰ることになったローラが行ったこの掟に対しての立ち回りがまぁまぁよく出来ていたので最後はこの事を振り返りたい。

①まず、帰国するにあたり仲間に向けて漠然と何か探し物があるという内容の張り紙を仲間(まなつ)の部屋に置いて帰る。

②グランオーシャンに帰る前にチョンギーレ達に予め自分の記憶が無くなることを説明し、再び自分がチョンギーレ達の住処(魔女の家の廃屋)に来た際にプリキュアとして対峙していたころの話をしてくれと頼みこみ、自分が全てを忘れても記憶をチョンギーレ達に預けておくことを行う。

③帰国後、女王様の元でグランオーシャンの女王候補として勉強している時に目に入る位置に予め後回し魔女が使っていた文字で魔女の城へ行くように記載をする。

 

結果的に上記③を見た後外界に出る用事の際に②に寄ることによって自分に人間界に尋ね人がいる事を知らされることになる。後は①を見た仲間(まなつ)が漠然と海に何かを探しにくればまなつとローラが会うことが出来る。

ただ、これだけでは二人とも記憶がない二人が出会っただけになってしまうので最終兵器アクアポットの出番。アクアポットの機能の一つであるシャボンピクチャーが勝手に起動しローラが来てからの一年間に撮り貯めた写真が二人の間に沢山現れ、その瞬間にアクアポットと記憶を消す装置が整合性を取れなくなり本国の記憶を消す装置が爆発して壊れた。この事により無事グランオーシャンの掟であった記憶の喪失システムはローラの代で消えてゆくだろうし、プリキュアの仲間達との過ごした時間とこれからも過ごす時間も守られて無事大団円になりましたとさ。

 

「初志貫徹、細かいことは捨てていけ!」

 

一応骨組みだけ書き出してみたんだけど、今回の特徴としては特にCPになりそうな男性陣が殆ど出ないと言っていい。主役はおろか他人の恋愛的なエピソードも一切ない。ただ、メンバー5人の性格や課題と解決は今までのシリーズの中でも安定はしていると思う。しばらく専門性が強かったシリーズにおいて中学生という設定をしっかり活かせていたことも今作の特徴かも。

オープニングで敵幹部がダンスを踊っている時点で、あんまり鬱屈した敵とのやり取りはないと判断してよかったねってぐらい敵が所謂「悪」とは違った存在だった。みんな主に仕事の合間にやる気パワーをとってくる感じで彼らも常にやる気が無いと言っていたし、それを補いたいとも思っていなかったのもこの作品の面白い所だなと思いました。

本編で少しだけ気になったことをいくつか……。

滝沢兄はどこに行ったのか?

まなつのお父さんのどうしてもやりたいことってスキューバダイビングでよかったのか?

他にも初期の方で各キャラクターの設定が語られていましたが、そぎ落とした部分も多かったように感じます。でも、本筋から考えれば削ぎ落した部分が致命傷にはならなかったので良かったのですが。

 

最後になりましたが、今回の妖精枠の「くるるん」ちゃん。女王様のペットという立ち位置のアザラシに似たような可愛い妖精。喋れる言葉は「くるるん」のみ。プリキュアのメンバーと意思の疎通が完全に取れているのかはかなりの謎。特に戦闘や話の根幹にかかわる存在でもなくただひたすらに可愛いマスコットとして一年鎮座していて、すごく好きでした。

欲を言えばグランオーシャンの中にある歴代くるるん族の肖像画も謎なんだよなぁ……。

モフルンペコリンくるるんかわいいねかわいいね。

ヒーリングっとプリキュア感想文(震え声)

 約一年ぶりの更新の様な気がするけど、こんなこと十年ぐらいやっていればこういう様なブログの運営になってもいいと思っていますしその方が生きてるって感じがします。

 

 私がプリキュアを本格的に見始めたのは2011年のスイートプリキュアからという事になりますので今年で丸10年という節目を迎えました。どうしてここまでプリキュアから自分は目が離すことが出来ないのか?なぜプリキュアだけ10年間もシリーズを見続けられるのか?本当に謎です。一緒に見始めた友人は途中でシリーズからは離れてしまいましたが未だに自分は日曜の朝8時半を楽しみにしています。

 

 前作のプリキュアでは「宇宙」をテーマに様々な価値観の多様性を描いていました。

 今年は「癒し」をテーマに地球のお手当という形で環境問題を描くことが発表の段階では示唆されていました。

 この一年間のプリキュアは近年現実社会での「社会性」をテーマにしたHugプリよりも現実社会の影響を大きく受け、過酷なプリキュアだったことはちょうど10年前のスイートプリキュアと重なる部分もあったのかとこの原稿を書いている2021年3月11日には考えてしまいます。

 ただ、そういった災厄にこのヒーリングっとプリキュアが本当の意味で立ち向かうことが出来たのか……。それは個人的には疑問符を付けざるを得ないと思いました。

(まぁ、有り体に言ってしまえば構成そのものが個人的に疑問符の付く様な展開があったことに起因しますが……)

 いずれにせよ、前作のスタートウィンクルプリキュアの感想文よりは本編に入り込んでいた分その反動が大きい感じですので長々と愚痴を聞きたくない方は「この人は相変わらず文句ばっかり言って何が楽しくてプリキュア見てるんだろうか?」と呆れかえってブラウザバックしてもらって構いません。それでは……全文が長くなりましたが開幕します。

 

1:「100年ぶりの出会いは運命なのか」

 新型コロナウィルス。世界の人口は70億人を超えると言われているが、その大半が既にこの単語を知っていてもおかしくはないだろう肺炎症状を起こす新種のウィルスだ。

 地球の癒しを看板に掲げた本作はこのウィルスと運命的な出会いをしてしまった(世界的に大流行したスペイン風邪が約100年前の出来事だというので)。その結果、アニメの製作が出来ない状態になり通常シリーズとの話数の差、年間スケジュールの後ろ倒しなどプリキュアリーズにとって未曾有の事態に突入した。

 恐らく最初に決まっていた計画を断念したりしなければならないこともあったのだろう、それでも一年間プリキュアを制作してくれたことには素直に感謝の言葉を述べたい。

 

2:「掲げたテーマを出すのが遅すぎた」

 いきなり手のひらをドリルに改造してしまうことをご容赦頂きたい。

 前世はミステリアンが作り出したモゲラだったので。

 冗談はさておき今回のプリキュアシリーズは「癒し」をテーマに「地球のお手当」というフレーズでプリキュアとヒーリングアニマルという妖精とが手を取り合い、敵であるビョーゲンズとの闘いと普通の女子中学生の日常を描いていくという全体の流れになっている。

 今の文章をただ流して読んだ場合特に疑問符を感じることなくお話が完結するように思えるが、ところがそうはいかない。

 

 実際には(ビョーゲンズという「病原体」がモチーフの敵に寄生され、小学校を通うことが出来なかった主人公の花寺のどかが寄生物が体から離れたため突然元気になって少しでも良い環境で住みやすい)すこやか市に移住してくるところから物語は始まる(括弧内は本編で徐々に明らかになる)。

 一方、ヒーリングアニマルとは地球上に存在する別世界で主に地球に住む動物がモチーフになり地球の環境や生き物のパワーバランスを見守る守護者として存在する。以前のビョーゲンズとの戦いの傷が癒えぬまま再びビョーゲンズが活動を始めた事を知った女王ティアティーヌ(以後「手当犬」と呼称)は見習いであるが有望株のラビリン、ペギタン、ニャトランを娘のラテと共にプリキュアとなるべく人間を探し、その人間と共にプリキュアとなって戦う事を至上命題に掲げ人間界に派遣するところから物語は始まる。

 他方、ビョーゲンズは地球を蝕むことで自らが住み心地のいい世界に変化させんと力づくで地球上の生物を駆逐しようとする絵に描いたような悪の組織であり以前に手当犬によって撃滅させられたかに見えたが長い時間をかけ復活。今度こそ地球を我物にせんと三幹部を率い人間界を蝕みにやってくる。

上記がヒーリングっとプリキュアにおけるスタート地点における3つの団体の立ち位置である。ここまではまぁ、歴代のプリキュアシリーズとそこまで変わっている感じは見られない。

 

 ただ物語が進み完結へと向かった中で当初掲げたテーマは物語の最終盤で言及された印象が強く、全体的にはそれ以外のテーマがたくさん登場して方向性が見えなくなってしまったのではないかと思われる部分も多かったように思えた。ここではそれを振り返ってみたい。

 

 プリキュアである花寺のどかという主人公に対して最初に定義づけされるテーマは「原因不明の病」というもので、この原因は後半途中で真相が明かされることになるのだがそれ以前にも「原因不明の病で失った小学校時代」を振り返るシーンは多々あり主人公がビョーゲンズに寄生されていたことがいかに苦しく辛い体験だったのかが語られ、また家族や主人公の過去を知る登場人物も当時の辛さを共有しているように感じた。

 のどかが発する「生きてるって感じ」は恐らく長期の入院生活の反動から出ている口癖なのだろう。

 

 次に他のプリキュア達にも目を向けてみたい。初代から続く全く毛色の違う中学生がプリキュアに変身したことをきっかけに距離が近づき、友情を深め合い、時にはその人生すらも変えていくような存在になっていくというフォーマットは大体踏襲している。プリキュアシリーズにおける大きなテーマである「女子中学生の日常と心の成長譚」と言い換えることが出来るだろう。

 個人的には「のどか」「ちゆ」と比較して「ひなた」「アスミ」の個人的な問題提起とその解決策の提示にやや大きな差が見られたように感じた。というかかなり「ちゆ」の女将とハイジャンに尺を割いたような気がするんだが気のせいだろうか……。この辺は確実にコロナの影響を受けたと考えられても致し方ない。

 

 三つめがヒーリングアニマルについて。今年の妖精枠はヒーリングアニマルという地球に存在する人間世界とは別の空間にいる地球の動物たちをモチーフにした住人達が住む世界の住人の総称であることは先に述べたとおりである。手当犬を頂点として地球のバランスをとることが使命でのどか達プリキュアと力を合わせてビョーゲンズに対抗している存在……だと思っていましたがこれがどうやら違うらしい。

 その事はビョーゲンズの親玉であるキングビョーゲンを浄化した後に判明する。最終回で唐突にあるセリフが出てくるからだ。ヒーリングアニマルのサルローとかいう頑固爺が言うには「ビョーゲンズも人間も地球の環境を蝕んでいる点では一緒」との事。「人間が環境破壊を繰り返したときにはヒーリングアニマルは人間にも刃を向ける」と手当犬も言い出す始末。

 確かに現実の自分たちの世界では「環境問題」というテーマは深刻で温室効果ガスの排出やら人口増加やら人間が地球に与える影響で地球そのものが持たない時が来ているのは30年以上前から時々刻々と言われてきた課題であり解決の見通しはなかなか立ってはいない。

 しかし、ヒーリングっとプリキュア本編で人間の一方的な都合で環境問題が深刻になっているといったシーンはそこまで顕著に見られなかった。むしろ、主人公たちの住むすこやか市は環境問題について積極的に取り組み、町の人達も比較的穏やかな人が多い理想の町として描かれて、環境問題については殆どビョーゲンズが蝕むという形で担っていた。そんな状況でヒーリングアニマルと一緒にビョーゲンズと戦ってきた主人公達になんでそんなセリフを言う必要があったのかは視聴者には理解できるけどアニメ展開としては理解に苦しむ。(そもそもアスミはOKでのどか達がNGの線引きも曖昧だし)

 

 最後が敵の組織であるビョーゲンズのキャラクター。

 まず彼らのモチーフが「病原菌」なのか「病原体」なのかが曖昧だったのだが想像通りその辺りの概念がごっちゃになった存在として地球を蝕むという目的の為に姿や形を変えて地球上に危機をもたらしてきた。劇中では地球上のエレメントさん達の力が弱体化され、地球上が赤黒いオーラで覆われてしまう事で危機的状況を演出していたが、この演出は果たして地球を蝕むという意味で効果があったのかは少し疑問が残る。

 

 キャラクターについてだが、使い捨てのキャラクター以外は頂点に立つキングビョーゲンにその配下の三幹部のダルイゼン、グアイワル、シンドイーネが毎回出撃をしてプリキュアと戦う最近のプリキュアシリーズでよく見る構図となっていた。

 三幹部はキングビョーゲンの配下ではあるもののそれぞれ独立した知性を持ちグアイワルは自分が一番になる事、シンドイーネはキングビョーゲンを崇拝する事、ダルイゼンは自分が住みやすい世界を作る事に重きを置き最後まで我を貫き通してプリキュア側とは理解し合うことも無く消えていくという近年の幹部たちとは一線を画す描かれ方になった。三幹部のキャラクター描写は終わってみれば終始一貫していたかなとは思えるけど、やっぱり彼だけは……救われて欲しかったな。

 

 という訳で、今回のプリキュアに関して見えたテーマをもう一度列挙してみたい。

 「原因不明の病気」「中学生の成長譚」「環境問題」「病原菌・病原体」

 1項目でも述べたが、ヒーリングっとプリキュアは現在進行形の新型コロナウィルスと運命のいたずらとしか言い表せないように同じ時期に放映されることになってしまい、社会全体が病気と闘わなくてはいけないといった風潮の中でどうしても最初に掲げた「環境問題」よりもビョーゲンズという「病原菌・病原体」がモチーフの存在と主人公の「原因不明の病気」という点がどうしても目に入ってしまうシリーズだったように感じる。約5話分少なかったことは「中学生の成長譚」がテーマの回でバランスが悪くなった原因かもしれない。

 現実の世界で環境問題が悪化することによって、新型コロナウィルスの様な未知のウィルスが出来てしまうこともあるという話を耳に挟んだことがある。その論法であるなら「環境問題」と「病原菌・病原体」「原因不明の病気」というテーマはリンクすることとなり地球環境を守る(あるいは自然を癒す)ために戦うプリキュアは違和感なく目に映るのだろうと思ったが、本作はあまりにも「原因不明の病気」というテーマに比重が行き過ぎて本来掲げたはずの「環境問題」が最後に語られたというのが全編を通して見た時の違和感の原因なのかなあと考えたりした。

 

3:「キュアグレースとはなんだったのか?」

 本来ここに入るタイトルはもっとセンシティブな単語が入っていたのだが、それだとあまりにも支部に出た愉快犯みたいでいやだなと思ったのでタイトルは変更しましたが、内容的には相当アレですので重ねてご容赦願います。

 結論から言ってしまうと、最終的にダルイゼンを救わなかったのは花寺のどかとしては諸手を挙げて大賛成できる。だが、キュアグレースとしては致命的な間違いだったと思う。というのが最終的にこの感想文で一番言いたかったことだ。今の一文の為に約4500文字をダラダラと書き連ねてきたと言っても過言ではない。(ここから更に3000文字)

 

 どうしてこのような事態になってしまったのか、今までの文章と被る点もあるがもう一度花寺のどかとダルイゼンの関係性について振り返ってみたい。

 「原因不明の病気」に罹った花寺のどかの病気の真相が「ある名も無いビョーゲンズが体内に寄生した事」だったことが後半の物語で明らかになる。その寄生していたビョーゲンズがのどかの体内で成長し、ダルイゼンという人間態になり花寺のどかの体から出てキングビョーゲンの元へ向かい三幹部という立場になる。同時期に花寺のどかの病気が完解し、すこやか市に引っ越した先でラビリンらヒーリングアニマルと出会いキュアグレースになる。そして二人は運命の出会いを果たすことになる……ところまでが第一話の全貌。

 

 その後、プリキュアチームとビョーゲンズとの果てしないバトルの中で、ビョーゲンズの組織や力関係、戦力増強の方法や彼らがそれぞれ統一した意志を持っているわけではなくそれぞれの野望に向かって狡猾さを発揮した。コミカルなシーンもあり表情豊かではあったが終始地球を蝕むという対話不可能な形で最終的にはグアイワルもシンドイーネも最後までプリキュアとわかり合う事や反省して転生するということは無かった。

 

 ただ、ダルイゼンだけはキュアグレースに救いを求めた。物語後半キングビョーゲンにグアイワルが取り込まれた際、ダルイゼンは次は自分が取り込まれると恐怖した。この恐怖は恐らくは自分の野望が潰える事への恐怖と、自分という意思を持つことが出来なくなってしまう事への恐怖などいくつかの恐怖が考えられるが、とにかくその恐怖を前にしてキングビョーゲンの元から逃げ出しキュアグレースに助けを求めることにした。

 下水道に身を隠すシーンは最早三幹部のダルイゼンとは程遠い弱さを感じたし、事実そういう演出だったのだろう。もっとも、傷だらけでキュアグレースに言った言葉は「もう一度、お前の体内に匿ってくれ」という最低レベルの口説き文句ではあったが。

 

 そんなダルイゼンが伸ばした手をキュアグレースは振り払った。このシーンは歴代プリキュアシリーズの中でも自分の中で相当ショッキングなシーンだった。その後、花寺のどかはダルイゼンを助けなかったことを一人悩むが、ラビリンの後押しもあり結局「どうしても嫌」という事でダルイゼンは救わず浄化させる事を決定する。時同じくして、ダルイゼンも自分にメガパーツをつけ暴走状態に。もはや対話不可能となり「私の体と心は私の物」というキュアグレースのセリフによって浄化、その後はキングビョーゲンに取り込まれそれ以降ダルイゼンは本編に登場することは無かった。

 

 自分はダルイゼンが本編で最後まで生存すると思っていたので、この結末はただただやりきれない気持ちでいっぱいになった。

 

 理由としてはいくつかあるがまず、三幹部が最初から寄生先を選んでいたわけではないだろうという点だ。ダルイゼンものどかにメガパーツを刺すというぐう畜行為をしなければ自分がのどかから生まれた存在なことは分からなかったし、グアイワル・シンドイーネに至ってはその事については興味も無ければ描写も無かった。

 これが最初から宿主が明確な上でプリキュアに変身しているとはいえのどかに悪辣な行為や暴言を吐くような状況であれば、ピンチになったから助けてほしいというのは虫が良すぎるので拒絶されても同情もしないだろう。

 ただ、三幹部自体にも選択肢が無くキングビョーゲンに利用されるだけの為の存在として使い捨てられるというのであれば、同じ知的生命体として伸ばした手をのどかの体内に匿う事以外の何らかの形で掴むことは出来たのではないかとは思う。

 

 次に商品開発部が考えたキュアグレースとダルイゼンのペアのぬいぐるみセット販売。番組中盤で発表された商品で単体で遊べることに加えてペアでも遊べるという事を売りにした商品だった。過去にもこの手のプリキュアと敵幹部の仲良し商品は存在したが、終わってみたら何だったんだというウルみゆTシャツなんかもあり、今回もその系譜として見ることも出来るが声有りのぬいぐるみでペアで発売されて掛け合いまですると聞いたらそりゃ期待しちゃう。

 輪をかけて最悪だったのはダルイゼンをはじめから退場させるつもりで本編作ってたってのが白日の下にさらされたこと。それって言い換えれば連携が取れていませんでしたってのを認めてしまうことになるし、実際商品としてリアルマネーが動いているという事にも留意しなければならない。

 

 ダルのど論争をを見ていく中で散見されたのがそれでもダルイゼンも他のビョーゲンズと同じように自分の目的の為に一貫して花寺のどかに酷いことしたよね?その男が自分の立場が弱くなったからのどかに助けを求めるって現実世界で言うドメスティックバイオレンス男と同じ論理じゃない。という意見。

 やや社会派な物事の言い方をするのであれば、この意見は納得できる。だからこそ先に言った「花寺のどか」としてダルイゼンを救わなかったことには自分は大賛成しているという結論につながっている。確かに花寺のどかはプリキュアという作品の主人公の女の子だけれども一人の中学二年生の女の子の一人でしかない。その女の子にここまで深い心の傷を負わせてまだ利用しようと考えているから「私の心も体もすべて私の物」という啓蒙的な台詞が出てくるのはある意味当然のことだと思う。

 

 でも、もっと社会派な物事の言い方をすればダルのどの関係性の消失は単にカップリングにならなかったチクショー!という話ではない。ダルイゼンの伸ばした救いの手を振り払ったキュアグレースはその瞬間に「原因不明の病気」であった過去をも拒絶したように思えた。もし現実社会でコロナウィルスがここまで猛威を振るっていなかったら作り手の意識も変わったのかもしれないが、「病気」というのは何も完解するものだけではない。ワクチンが出来て世界中の人間がコロナウイルスに罹らなくなってよかったね。というのは「病気」をほんの一部分しか見ていないに過ぎない。

 

現実世界における「病気」とは本当に様々なシチュエーションから発症するもので、生まれた時から病気の人もいるだろうし、後天的に病気になってしまい日常生活を送るのが難しくなってしまう人もいるだろう。そうやって「様々な病気と向き合う人間」は世界中にたくさんいる。

「病気になったことが無い」という文面を見目にしたとき、ああこの制作陣には「病気と共に生きる」という発想は最初から無かったのかなと落胆してしまったし、そういう思想を持たないままダルイゼンが伸ばした手を振り払ってしまったキュアグレースというプリキュアは果たして何を癒すヒロインだったのだろうか?

 

銀幕!?トラウムおじちゃん浄化大作戦!後編

こんにちは。今年の8月は極端な暑さが一か月丸々続いたような気がしています。

今日は前回の後編となる、はぐっとプリキュア37話(某局再放送)の感想文でも……。

放送日2018年10月21日当時はまだ病院で見ていました。なので、まだ見れて感動するとかより必死にしがみ付いて見ていた感がありましたので今回再放送でいろんなシーンを見直せて楽しかったです。では……

 

2020年8月28日 はぐっとプリキュア37話(某局再放送)

 

・開幕、トラウムメカをプリキュアの波状攻撃が襲う(キラパティ組)

ケーキタワーとかいう懐かしい描写。

 

・同じように魔法つかい組もオシマイダーがフルボッコに。

魔法使い組の方ははーちゃんが妖精の守りを行うなど役割分担が出来ている。

 

・復活したトラウムに対し、シフォンのテレポーテーションで合流。集合。

テレポートつかえるプリキュアの妖精は一切何匹いるんだろうか?

 

・ドクタートラウム、トゲパワワの吸収で一転攻勢を図りはぐたんのピンチ。

もはやドクタートラウムは壊れ始めているが、何が彼をそこまで……。

 

・キラパティ組は走りで逃げるが、魔法使い組は飛んで逃げる。

いや、逃げるのか逃げてどうするんだこの状況で。

 

・黒白登場、ルミナスもいてやはり滅茶苦茶に強い。

攻略本見たら基礎能力値から全然違いそうな三人。

 

シャイニールミナスは初顔合わせ。挨拶。

「挨拶は後!」っていつも言われちゃうひかりさん。

 

パルフェあの子たちもプリキュアなの?

レジェンド選手を知らないルーキーみたいな態度やな。

 

・ドクタートラウム暴走(壊れる)

だから、彼をそこまで駆り立てるものは何なんだよ。ルールーを自分の思い通りに動かせなかったからなのか、元の娘が死んじゃったからなのか。ジョージに弱味でも握られてんのか。

 

・トゲパワワの中にプリキュアを封じ込めたが……。

やったぜトラウム大勝利、暗黒の彼方へレディーゴー!!

 

・はなの思いの強さに共感した他のプリキュア達が、外で応援する妖精達の声もあり立ち上がる。

ここセリフが小さすぎてあんまり聞き取れなかったです。

 

・復活したプリキュア達だったが、無数のオシマイダーと対峙する。それに立ち向かおうとする意志が止まっていたプリキュア達を呼び覚ます。

↓↓↓

・プリンセス(はるか)、ハピネス(めぐみ)、ドキドキ、スマイル、スイート、HC、SSと5、フレッシュの残りのメンバーもそろい踏み。

 

・ジョージ「アスパワワの増大が…止まらない!?」

そもそも5人でも苦戦してたやんけアンタさん。

 

プリキュアオールスターズ対雑魚キャラオールスターズ

人気のあった技(ベリーソードは囮)や組み合わせ(高校生プリキュア+キュアエース)、敵キャラ(各シリーズでインパクトのあった雑魚)が総出で大乱闘。

 

・腕輪が武器になり栄光のサブキャラオールスターズが……。

↓↓↓↓

キュアペコリン。キュアモフルン。満薫。

花咲のばあさん。ロイヤルキャンディ。

ハワイのプリキュア姉妹。いおな姉。

ジュリオ。レジーナ。ビブリー。西南。ゆいちゃん。

音吉さん。校長。……キュアエコー!!!

 

・超合体技でトラウム撃破。

これはもはや通常放送じゃない……映画じゃ……

 

・ルールーとトラウムおじ「いつかまたお会いしましょう」

割とすぐ出てくる。

 

・ジョージ「時は止まらない」

まぁ、プリキュア全員どころかサブキャラや妖精までに抵抗されたら負け確定だよなぁ。いくら何でも。

 

・「プリキュアであんなにいたんだねー」とかいう至極普通な終わり方。

この辺が差しさわりのない終わり方をしてるのは、もうオールスター映画はこの後の一本だけで次からは直近3グループ体制に代わっていったからなのか。

 

・この次はダイガン道踏み外し回。

懐かしいですね。

 

以上でこの話のまとめは終わりです。たまに見たプリキュアをちょこちょこメモって書くと当時と違った目線で語れるかもしれませんね。ではまた。

銀幕!?トラウムおじちゃん浄化大作戦!前編

お久しぶりです。

世間は大変な状況でなかなか外に出ることもままなりませんね。

さて、今回の更新ははぐプリの再放送を見たのでこれを記載したいと思います。

当時私は入院中で朝ご飯を食べた後のなかなか落ち着かない時間にテレビを見ていた気がします。(放送日2018年10月14日:当時入院中その日の記録には「最近馬鹿に疲れる」と記載あり)なのであまり真面目には見てなかったのかもしれません。真面目に見る力が無かったのかもしれません。

 

2020年8月19日

はぐっとプリキュア36話(某局再放送)

 

・冒頭悪トラウムじい

まだ悪い顔を保てている。

 

・キラパティ(大人)

ガオちゃんかわ・ジュリオいない

 

・ビーズメーカー(腕輪)

全話の流れか、ルールーの腕輪の修復に使われている。

 

・はぐたんの謎力

キラパティ組呼び出し&当時の姿に戻る。

まほプリ(大人)+モフルン、はーちゃんもいつの間にかに参戦している。

 

・変身に際し衣装が無いと気が乗らないとか抜かすゆかり姉

急場への適応能力は相変わらずお高い……。

変身バンクの長さが異常だが、一応早口で巻でやっている。

 

妖精さんたちの現状解説

どうしてこうなったのかの説明が主にモフルンと長老のやり取りで行われる。

 

・ドクタートラウムのメカ時間の管理に失敗する凡ミス

ドクタートラウム、ギャグキャラに

 

・ジョージ、リストル。

世界中の時を止める作戦で時が止まる(いちご山、魔法界)、他のプリキュアを探す。

ラビリンスの時の平行世界的なものではない模様。一応全員同じ世界にいる感じ。

 

プリキュア探し

  • 魔法使い組+ツインラブ+エトワール+ラブニキ(タルト)
  • キラパティ組+はな+さあや。

シエル「他のプリキュアがいるのか?」はな「黒白はいた」

 

尾登「なんか食べ物くれ」

久々の登場。何年ぶりだったっけ?

 

・ナイトメアもびっくりな超ブラック企業に引き抜かれた(本人談)

ブンビーカンパニーはどこ行っちゃったんだよ。もう自己破産か。

 

・はぐたんをめぐる妖精談義。ラブニキの強い気持ち。

タルトもシフォン育てるの難儀してたしね。

 

春日野うららは女優として成功していたようだ(のぞみ登場)

さあやもうららの事を知っていた。だからやはり同一の世界。

 

・各地で復活したオシマイダーが出現。

・時を止める爆弾として使いこれ以上プリキュアが増えることを阻止。

下の出来事と逆にはなるが、この流れはうまいなと思ってしまった。

 

・魔法組、モフルンとはぐたんを間違える(キュアドリーム変身)

はぐたんもモフルンも可愛いからね、仕方ないね。

 

・5ののぞみ以外、SS、ハピチャ、プリンセスの地域の時は止められた。

次回へ(黒白黄色残存)

 

 

以上でこの話のまとめは終わりです。この話は後編がありますが、たまに見たプリキュアをちょこちょこメモって書くと当時と違った目線で語れるかもしれませんね。

スタートウィンクルプリキュア論評

一年間で約50話あるアニメシリーズにおいて、惰性で見始め、惰性で全てのエピソードを見る。果たしてそれは惰性と言えるのかどうか。おそらくそれは惰性とは呼ばないのだろう。
しかし、このシリーズに関してはある程度の感情の起伏はあれ、本当に惰性のまま一年間約50話をエンディングまで見てしまった個人的にはかなり珍しい作品となった。

 

まず本作は宇宙を舞台にしている。これは魔法つかいプリキュアの背景に近い。ただし、基本的には中学二年生という設定上物語は宇宙旅行スナック感覚で行き、目的を達成していくという流れになる。その中で異なる星々の価値観や文化、容姿や言語とどう向き合っていくかという問いかけが度々行われる。これは現在の地球上においても共通する構成かつ分かりやすさはあったと思う。

前作がとにかくたくさんの要素を詰め込みすぎていたというのもあるが、一転して今作は言葉には形容しがたい決定的な何かが欠けていたように感じる。
プリキュアに変身した女の子たちが宇宙を旅して、悪の組織と戦って宇宙を守る。今までにない斬新な設定にも関わらず、それに新鮮さを感じず漫然と見てしまっていた自分がいる。
その理由を知りたくて結局こうやって思考を出力して纏めてみるが明確な答えはない。

いや、「自分の理想の要素が全然無かった」という理由もあるにはある。
それは個人的な理由であって、それだけが全てだったとも思えない。何故ならプリキュアは50話あるからだ。その中で何も見つけられないというのはもう異常事態だ。
さて困った……。なにかないか……。

プルンス……そうだ、プルンス……。劇中での彼の扱いが個人的にはあんまりなのではないかと思っている……思っているんだ……そうだ、そう思おう。
でない称賛にせよ批判にせよ文章が成り立たない。

 

たしか彼は第一話目からララの宇宙船に乗ってフワを世話しながらスターカラーペン及びプリキュアを求めてやってきた。視聴者(星奈)に、基本的なこの世界観の説明やなぜプリキュアが必要なのかの説明も彼がしていた。

面子がそろってくると今度は宇宙アイドル「マオ」の熱烈な支持者であることが判明し、キュアコスモ加入後は学校生活を送る残りのメンバーを待ってる間はユニ(コスモ=マオ)とフワと過ごす時間が多く宇宙船でお留守番を務めていた。

最終決戦前には元々の役職が『スターパレスのプリンセスたちの従者の一族』であることが判明して、以後の時間でもその役職に従事している……というのが大まかなプルンスの立ち位置だったわけだが……。

やっぱりどこか地に足ついていないというかその場に応じたコマの動かし方をしているだけという印象が頭からぬぐい切れない。

のめり込めなかった理由として言語化するならはプルンスに限らず、ほとんどのキャラがただ漫然とプリキュアになって宇宙旅行をして悩みを解決して……っていう適当さがいやに目についた。

劇中結構しっかり話数を割いて掘り下げていたまどか先輩もエンディングで唐突に宇宙開発局の局長になっていて割とガッカリしてしまった。ユニも前半の盛り上げが嘘のように後半失速した。(騙すことを悪と描いてしまったのでマオやバケニャーンは存在そのものが否定されてしまった形になっていたし)


最終的に視聴者のイマジネーションに委ねた終わり方をするのであれは、そうしますよって事をもっとよく説明してくれないとあれじゃあんまり伝わってこない。


手厳しい感想になってしまったが次作はモブみたいなキャラクターが主人公ということで実は少し期待している(期待は失望を二乗する)